大阪の不幸せ(府市合わせ)の典型、ビルの高さ争いは10cm差で○○の勝利!

行政

大阪府と大阪市とは同じ大阪という地にありながら長らく敵対関係にあって、2008年に橋下徹氏が大阪府知事に就任したことでこの問題が浮き彫りになり、その後橋下徹氏が大阪市長、松井一郎氏が大阪府知事になって府市一体になったことで大阪府市の対立関係が解消されていきました。

ここでは大阪市と大阪府の対立構造の中の見栄の張り合いの典型

ビルの高さ争い

についてご紹介したいと思います。

りんくうゲートタワー×ワールドトレードセンター

なんともアホらしい高さ競争でした。

大阪市のワールドトレードセンタービルは1989年の当初計画では150mからスタートしました。

その後容積率緩和により着工時には地上252m52階で計画されていたのが、同じ時期に大阪府が建設したりんくうゲートタワービルの高さが256mだということを見て、高さを4m増やしてりんくうゲートタワービルと同じ256m55階としました。

こうして大阪府に対して張り合っていましたが、最終的には1年ちょっと後に完成した大阪府のりんくうゲートタワーの高さが10cm上回っていたため、高さ競争は大阪府の勝利となりました。

現在もワールドトレードセンタービルのエレベーターは52階(当初計画階数)までで、55階展望台までは53階から長いエスカレーターに乗り継ぐ必要があり、このあたりにも高さ競争の弊害が出ているようです。

 

りんくうゲートタワー(現SiSりんくうタワー)

<大阪府>

建設期間 1992年8月 – 1996年8月
総工費 659億円
高さ 256.1m
階数 地上56階 地下2階
当初計画ではもう一つ同じものを建てるツインタワー構想だった。

<経緯>

1989年 計画

2012年に香港の投資会社に30億円で売却。

大阪ワールドトレードセンタービル(現大阪府咲洲庁舎)

<大阪市>

建設期間 1991年3月 – 1995年2月
総工費 1,193億円
高さ 256.0 m
階数 地上55階 地下3階

<経緯>

1989年 計画 高さ150m・総工費520億円

1990年 計画変更  高さ252m・総工費980億円

1995年 計画変更 高さ256m・総工費1,193億円

1995年 完成

1996年度の決算から債務超過に陥る

高さ競争に前のめりだったのは大阪市?

記録からも高さに対するこだわりは大阪市の方が強かったようです。

大阪市側に、大阪市のランドマークタワーとして西日本一の高さにすべきだという意見・認識があり、ワールドトレードセンターの特定団体調査委員会の調書にも、明らかにりんくうゲートタワービルと競いましたよということが書かれています。

平成元年(1989年)4月時点の会社設立時の計画では、高さ150m、地上33階・地下2階、総床面積約111千平方メートル、総事業費約520億円であった。
一方、民間企業の立地も少しずつ進む中で、コスモスクエア地区の特性に応じた魅力あるまちづくりを推進し、開発を誘導するため、国際交流拠点や研究開発拠点としての整備とアメニティーの充実を目標とした「大阪南港コスモスクエア地区再開発地区計画」を平成元年(1989年)12月に都市計画決定した。これにより、建築物の用途や壁面後退等の制限を加える一方で、容積率の緩和が可能になり、WTCの敷地の容積率が300%から600%に変更された(中略)

会社としては、WTCビルを西日本一の高さにするなど規模を拡大するほか、ビル前面の広場に大屋根を設置し大規模なアトリウムを建設し、ビルの景観を高めるためライトアップを増やすとともに、アメニティを高めるため最上部に展望台を整備し多目的ホールを設置することとした。
その結果、平成2年(1990年)3月の計画では、高さ252m、地上55階・地下3階、総床面積約152千平方メートル、総事業費約980億円と変更になった。
そして、臨海部における新都心のシンボルとするとの意図から、最終的に平成7年(1995年)4月のWTCビル計画では、高さ256m、地上55階・地下3階、総床面積約149千平方メートル、総事業費約1,193億円となり、大阪府のりんくうゲートタワービルと同じ西日本一の高さとなった。

出典:大阪市『WTC(大阪ワールドトレードセンタービル)計画』、2007年1月7日

『WTCとりんくうビルは本当に高さを競いあったのか?【コラム】』より
< http://osaka-subway.com/post-25528/ > – 2023年7月11日閲覧

 

(藤田あきら議員)私もこのWTCの特定団体調査委員会、なぜ破綻したのかという調書、これ恐らく皆さん読まれたと思うんですけど、これもう法定協議会をやっている間も何度も読みました(中略)

もともとは150メートルの高さの520億円の計画で、資本金が50億円いうことだったんですが、それが計画変更されまして、252メートルになって、借入金は647億円に膨らんでおります。ここまでは大阪市の独自の判断で、都市計画地区が認定されたんで、容積率が緩和されたということなのかもしれませんが、その後、さらにまたこのビルの高さが伸びまして256メートルになりまして、借入金は、先ほどの647億円から993億円に膨れ上がっております。これはなぜかといったら、この調書の中に書いております。26ページなんですが、大阪市のランドマークタワーとして西日本一の高さにすべきだという意見・認識があったということで、もう明らかにりんくうゲートタワービルと競いましたよということが書かれております。
結局、この西日本一の高さにすべきだという意見があって、借入金を膨らましてビルの高さを積み上げたけれども、結果としては、皆さん御存じのとおりりんくうゲートタワービルに10センチ、後でかさ増しされて、西日本一の高さにはならなかったわけです。

出典:大阪市会『令和3年2・3月定例会常任委員会(財政総務) 03月22日-01号』

『WTCとりんくうビルは本当に高さを競いあったのか?【コラム】』より
< http://osaka-subway.com/post-25528/ > – 2023年7月11日閲覧

日本のビルの高さベスト5は

1位 麻布台ヒルズ森JPタワー(330m) 2023年竣工

2位 あべのハルカス(300m) 2014年竣工

3位 横浜ランドマークタワー(296m) 1993年竣工

4位 りんくうゲートタワービル(256.1m) 1996年竣工

5位 ワールドトレードセンタービル〈大阪府咲洲庁舎〉(256m) 1995年竣工

2023年竣工予定迄

なんだかんだ言ってもベスト5の中に大阪のビルが3棟もありますね。

ただ、そのうち2棟が役所のメンツのために税金を食いつぶして建てたものというのは

複雑ではありますが…。

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